グルテンフリーダイエットって効果あるの!?
六本木にある六本木交差点近くのパーソナルトレーニングジム「CLOVER」代表兼パーソナルトレーナーのCHISEIです。
最近、「マッチョ29」のメンバーとしてデビューしました(笑)
今回は「グルテンフリーダイエット」についてです。
欧米でグルテンフリーを謳う食品がどんどん増えているそうです。
有名人ではテニスのジョコビッチ選手が世界3位から1位に躍進したのはグルテンフリー食のお陰だとした本なんかも出してます。
ということで結構、欧米ではグルテンフリーが流行っているようです。
何故、グルテンフリーを謳う食品が増えているのかについてですが、これにはある病気が関わっています。
セリアック病
グルテンとは、小麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種で、麺類やパンなど、小麦加工品を作る上で弾性や柔軟性を決定し、膨張を助ける重要な要素となっている成分なのですが、このグルテンのせいで腸から栄養を吸収できなくなるセリアック病という病気があります。
セリアック病を詳しく説明すると、
ヒトの消化酵素では分解できないグルテン分子の一部が小腸上皮組織内にペプチド鎖のまま取り込まれ、これに対する免疫反応がきっかけとなって自己の免疫系が小腸の上皮組織を攻撃して炎症を起こすことで絨毛などを損傷し、また上皮細胞そのものの破壊にまで至ってしまう。この結果、小腸から栄養を吸収出来なくなり、食事の量などに関らず栄養失調の状態に陥る。
だそうです。
どうやらセリアック病の患者は、この分解出来ないグルテン分子をそのまま排出できずに小腸壁にくっついてしまい、炎症を起こしてしまうようです。
栄養が吸収できなくなるということで主な症状も、
- ガス
- 腹部膨満感と痛み
- 慢性の下痢
- 悪臭を放つ便(脂肪便)
- 体重の急激な減少や増加
- 顔面蒼白
- 貧血(赤血球数の低下)
- 骨あるいは関節の痛み
- 骨粗鬆症
- 筋肉の痙攣
- 疲労感
- てんかん症状
- 脚部のしびれ感
- 口腔内の痛み
- 痛みとかゆみを伴う湿疹
- 歯の変色あるいはエナメル質の欠損
- 無月経
- 成長の遅れ(子供の場合)
栄養不足に伴う症状が多いようです。
特徴としては、患者の近親者にセリアック病患者が見られる事から遺伝的要因が大きいとされており、セリアック病の人のほとんどがHLA-DQ2またはHLA-DQ8が陽性であるそうです。
外科手術・妊娠と出産・ウイルス感染・または激しいストレスなどが引き金となって発病する場合もあるとされます。
ちなみにこのセリアック病ですが、日本での罹患率は約0.7%、アメリカとイギリスでは約1%と若干アメリカ&イギリスのほうが高く、しかも20世紀中盤と比較すると4~5倍の人が患者であると診断されているとのこと。(4~5倍って本当かなー?と思って調べてみても信ずるに値する文献は見当たらず。)
この「20世紀中盤に比べて4~5倍の患者数」に関しては眉唾であるものの、(僕は単純に研究が進み、診断の精度が上がったためにセリアック病と診断される数が増えた結果だと思います)グルテンフリーは最近注目を浴びている食事だということのようです。
グルテンフリーダイエットの効果は?
ということで、グルテンが引き起こすセリアック病は「増えている(らしい)」ので、グルテンフリーを謳う食品が増えているというのかなーと思ってました。(ジョコビッチはどうやら調べてみるとセリアック病ではなく、グルテン不耐性(アレルギーみたいなもの)のようです)。
でもどうやら、そうではなくてグルテンフリー食品がダイエットに効果あり!という噂が広まっているためにグルテンフリーを謳う食品が増えているというのが真相のようです。
グルテンの何がいけないのかについてですが、グルテンを構成する要素に「グリアジン」というグルテンペプチド(タンパク質の一要素)があるのですが、これが脳関門を通り、オピオイド受容体にくっついて、食欲を激しく刺激するために、過食してしまうという理論。
他には「アミロペクチン」というアミノ酸(これもタンパク質の一要素)が血糖値を急激に上げるため、「糖化」を促進する、という理論。
ほーん、なんとなく真っ当なことを言ってる風に聞こえますが実際のところはどんなんでしょうか?と調べてみると、やっぱりというか効果を認める論文はほぼ無い状態でした。
先ずグリアジンについては自閉症や統合失調症においてグルテンフリー食が、ある一定の効果を認めるとかいう論文も出ているらしいけど、未だ論争中ですし、ダイエットに至っては全く効果なしとしてます。
参考→Gluten-free, casein-free diet - Wikipedia, the free encyclopedia
んで、次にアミロペクチンによる「糖化」ですが、確かに食べ過ぎて体内に余剰された糖分は体内のタンパク質と結びつき、AGE(終末糖化産物)へと変化します。
※このAGEは強力な酸化作用があり、血管壁や細胞壁を脆くするということが判明しており、老化現象と密接に関係しています。
でも、ぶっちゃけアミロペクチンは米にも含まれている成分だし、糖化は砂糖の主成分であるショ糖の方が高い確率で引き起こすしということで、お菓子とかスイーツ食べた方が健康には悪影響です。
こちらの記事にも、同様の事が書かれてました。
消費者がグルテンフリー食品を購入する一番の理由はグルテンフリーの方が健康的であるとされているからですが…、セリアック病ではない人々に対しても健康促進効果があるという検証を証明する研究発表は全くありません。
むしろ、グルテン自体に含まれる成分には健康に有益な栄養もあるため、人によってはグルテン回避が正当だと認められない場合がある。
とまぁ、こんな感じです。
結論として、グルテンフリーはダイエットに効果あるのか!?ですが、無い!ということになります。(今のところ)
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